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C.S.L.コラム

桐朋中学校・桐朋高等学校 (訪問日:2016年9月27日)

2017年9月10日

1941(昭和16)年、財団法人・山水育英会(山下汽船社長の山下亀三郎の基金を基に設立)を母体に第一山水中学校を創立。戦後、山水育英会を解散して桐朋学園を組織、47年桐朋第一中学校とする。翌年に高校が発足し、桐朋中・高等学校と改称した。現在は同じ敷地に小学校から高校までがある。

一人ひとりの生徒を、豊かな心と高い知性をもつ創造的人間として育成することに力を注いでいる。真に有為な良き社会人になるために、地球的視野に立ち、自立した人間として、自己を生かすとともに他者を生かす、このような人間形成を目指しているのが21世紀の桐朋教育。よって教育目標は、「自主的態度を養う。他人を敬愛する。勤労を愛好する」である。

一橋大学を中心とした国立の文教地区にある。自然林の緑に囲まれた2万3千坪の敷地に、2016年、新校舎が完成した。本物に触れるための天文ドーム、各種実験室、プラネタリウム棟など、施設が充実している。

6万5千冊の蔵書をもつ図書館は、DVD500本も揃え、生徒の利用頻度が高い。総合体育館は、種目に合った床ダンバーにより運動ストレスからの障害を予防する配慮がされ、視聴覚施設の整った保険室も備えている。

オリジナル教材やプリントを使いながら系統的に理解し、思考力と表現力を伸ばす指導が特徴。英語は『プログレス21』BOOK1~3を使う。英語は外国人教師による会話練習や海外とのEメール交換、理科は実験・実習、社会は社会科見学などで理解を深めている。習熟度別授業は高校の英語総合、数学などで実施。中1から夏休みや平常時に指名制補習もある。

テーマ選びから始める夏休みの自由研究も大きな成果を上げている。外進生とは高1で混合。高2から文系・理系のクラス分けはぜず、選択科目で自分に合った学習をする。

「行事は生徒が創る」という方針で、修学旅行、遠足、運動会、学園祭など多くが生徒の企画・運営で行われている。自主性尊重は進路指導にも生かされ、在卒懇と呼ばれる懇談会で、卒業生に仕事選択の動機などを聞く。高2の在卒懇では大学の学部の内容やその選定のアドバイスを聞き、高3での大学選択につなげる。

クラブ活動も盛んで中学生は9割の生徒が加入。サッカー、バスケットボール部などの活躍は有名。特にサッカー部・バスケットボール部は中高とも都内トップレベル。陸上競技、野球、オリエンテーリング、将棋なども優秀な成績を収めている。高校は制服なし。