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FORUM2008「学力の接続」第1回シンポジウム

大学入試再考 -高大接続に欠けているもの-

大学入試は、日本の教育問題を考えるうえで最も社会的な注目度が高く、そして最も影響力の大きい問題でした。ところがこの20年足らずの間にその様相が大きく変化しました。代わって、「高大接続」論が登場してきましたが、日本の教育問題をけん引していく力は大学入試には甚だ劣ります。なぜ大学入試ではなく高大接続なのか?選抜と教育の関係は?教育水準の維持はどうなるのか、多くの問題が曖昧なままに置き去りにされている現状があります。大学入試が「高大接続」と表現されたところで難題が解決するわけもないのです。第1回のシンポジウムでは、高大接続論のもつ、この切れ味の悪さに着目し、俎上に乗せたいと考えました。

大学入試の観点から高大接続の現状を照射してみるというのが、今回の狙いです。

第1報告では、大学入試の理念、原理を扱います。戦後改革のなかで、教育機会の公平性、公正性はどのように論じられたのか。現在の高大接続の議論のなかにはそれらはどのように投影されているのか、検討します。

第2報告では、大学入試が教育にどのような影響と効果を与えたのか、科学的な調査と分析にもとづいて検証します。いわば、「大学入試学」の観点から日本的現象を分析する試みです。

第3報告は、高等教育の量的拡大の観点から、「高大接続」路線が導入されてきた経緯を分析します。高校および大学の量的拡大、大衆化が大学入試を変質させ、教育システム自体の構造を変えてきた状況を再検討します。

これらの複眼的な考察、分析のアプローチを重ねることによって、大学入試の姿が浮き彫りになり、それがまた高大接続の議論に奥行きを与えることができるはずです。日本の学校システムには新たな構想が求められています。多くの方の参加を得て、このシンポジウムがその議論の糸口となれば、と期待しています。

開催概要
日程 2008年10月11日(土)
時間 14:00~17:30(13:30受付開始)
会場 中央大学駿河台記念館 6F 610番
地図

中央大学駿河台記念館

スケジュール
14:00 開催者挨拶
14:15 第1報告 戦後日本の大学入試―戦後大学入試の構想
報告者:木村拓也氏(長崎大学アドミッションセンター・助教)

戦後日本の大学入試がどのような構想のもとにスタートし、どのような変遷を辿ったか。進学適性検査、能研テスト、共通第1次学力試験、大学入試センター試験を通じて、その歴史的意義と日本型試験の技術的限界と有効性を論じる。
14:45 第2報告 大学入試とは何だろう?―大学入試学のすすめ
報告者:倉元直樹氏(東北大学高等教育開発推進センター・准教授)

学力試験、実技試験、面接試験、内申書の審査に必要とされる技術的な側面を整理し、学科試験、推薦入学、AO選抜の是非を論じる。また、入学試験とは何か、それぞれの入学者選抜方法に込められたメッセージを解読する。
15:15 第3報告 なぜ高大接続なのか?―高大接続論の妥当性を問う
報告者:荒井克弘氏(東北大学教育学研究科・教授)

高大接続論は現状解釈の道具であり、それ自体のなかに解決策があるわけではない。拡大した高等教育の下で、接続に固執すれば、教育システムの空洞化は進まざるを得ない。このジレンマを解くために如何なる変革が必要なのか。学力政策を軸に論じたい。
15:45 休憩
16:00 パネルディスカッション 
司会:田中義郎氏(桜美林大学総合研究機構長・教授)
質疑応答
17:30 終了予定
お申し込み方法

お申し込みを締め切りました。

お問い合わせ

学習支援開発センター
TEL:045-473-2347
FAX:045-475-0540

参加費 1,000円(税込)/資料代として
定員 130名
主催 学習支援開発センター(C.S.L.)
共催 日能研/東北大学